こんにちは.
ぱいです.
最近, むぐむぐ勉強会で数理統計学ゼミに参加して楽しい日々を送っています.
そこで, 今日は次の問題を解説します.
(1) 次のモーメントが存在すれば, 次のモーメントも存在するか?
(2) 次のモーメントが存在すれば, 次のモーメントも存在するか?
(1) は, ゼミの中で出てきた演習問題です.
(2) は, (1) の逆って成り立つのかな~と気になって考えたものです.
(1) の解答例
(1) の答えは YES です.
何故そうなるのかは, 次の 2 点からすぐに分かります.
- のとき, となる.
- のとき, となる.
詳細は, 例えば下記の参考文献の演習問題 (第 2 章・問 5) などに載っています. (ゼミで使ってる教科書です.)
<参考文献>
久保川達也 (著), 新井仁之・小林俊行・斎藤毅・吉田朋広 (編), 現代数理統計学の基礎 -共立講座 数学の魅力 11-, 共立出版 (2017).
(2) の解答例
(2) の答えは NO です.
例えば, 次の確率密度関数が反例となります.
(2023/3/12 10:50 追記: の式に誤植があったので, 修正しました. 連動してそのあとの計算結果がズレてたのも直しました.)
\begin{align} f(x) = \begin{cases} \dfrac{h+1}{x^{h+2}} & (x \, > \, 1) \\ \quad 0 & ( x \, ≦ \, 1) \end{cases} \end{align}
実際,
\begin{align} \int_{-\infty}^{\infty} x^{h}f(x) \mathrm{d}x = h+1 \end{align}
だから 次モーメントは存在しますが,
\begin{align} \int_{-\infty}^{\infty} x^{k}f(x) \mathrm{d}x \, > \, \int_{1}^{\infty} \dfrac{1}{x} \mathrm{d}x = \infty \end{align}
だから 次モーメントは存在しません.
与えられた問題や命題に対して「逆は成り立つのかな~」と考えるのって楽しいですよね♪
最後まで読んでいただき, ありがとうございました!